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千心美生

千心美生

「はたらく」ということ

未来へ続く歴史の一幕を、ただ精一杯に、生き切ること。

私が社会に出たのは、雇用機会均等法の施行前夜。
巷では、結婚することになったら当然のように退職する「寿退社」や25才になっても結婚しないでいることをいう「売れ残りのクリスマスケーキ」という言葉が流行っていました。

祖母は、私が四年制大学に行くと、「嫁の貰い手がなくなる」と心配し、母や叔母は結婚に失敗した経験から、「手に職をつけなさい」と忠告していました。
自分といえば、動物探検家になりたいという子供の頃の夢を語れるほど無邪気でもなく、なんとなく中間をとったつもりで、短期大学の教職課程という中途半端な選択をして、そんな中途半端な気持ちで教職に就けるはずもなく、普通に就職をしました。
経済的自立が大人の証拠ですから、とにもかくにも自活できなければと、特に職種も会社も選ばずに就職させていただくだけでもありがたいという気持ちで社会に出てはきたものの、その程度の気持ちでは、会社とのギャップが埋まるはずもありません。

三年目に、肩たたき代わりに営業職に放り出された時に、日経文庫の「クレジットの知識」を読んで初めて自分の勤めている会社が何をしている会社かを理解したぐらい、世の中のことを知りませんでした。自分の仕事が会社のどの部分に該当するのか、そして、会社が経済のどの役割を果たしているのかがようやく俯瞰することができたのです。
客観性というものを知ったのです。今までの自分には、主観しかなかったこと、社会の中で生まれて、生きてきながらもその価値に気づかない、ということに気が付いた瞬間。これが本当の意味での自立の一歩だったと思います。
自分で工夫して考えること、それをたくさんの人と会って合意を取り付けること、その繰り返しと積み重ねで何らかの目標を達成することが社会に参画していることだと気がつきました。

働くということは、経済的価値だけではありません。自分が社会とどのようにかかわっていくのか、それが、公僕であれ、主婦であれ、働くことから解放されることは、ほぼありません。であれば、必ず位置の測定をしなければならないと思います。
そして、自分が社会の中で、ささやかであっても参画していることを確認して、その充実感を実感してください。

私たちの人生は夜空の星のまたたきの間もない短い一生です。けれども壮大な人類の歴史の確かな一歩なのです。祖父母から子へ、そして孫へそして続く歴史の一幕を精一杯生き切ることが私たちに課せられた義務と恩典だと思うのです。

代表取締役 千堂 純子

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