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千心美生

千心美生

教育の価値

『月日は百代の過客にして 行かう年も又旅人なり』
有名な「奥の細道」の冒頭です。
『舟の上に生涯を浮かべ 馬の口とらえて老いをむかふるものは 日々旅にして旅を栖とす 古人も多く旅に死せるあり』
高校時代に無理やり憶えさせられたいくつかの古典の名文は、月日が経つほどに深みと味わいがしみじみと心に染み入ります。
これが年月の淘汰にさらされても残りうる芸術というものの片鱗なのだと思い知ります。
是非の分別のつかない幼い時分に施してもらった教育という財産には今更ながらも感謝をする次第です。
格差社会の到来が喧しく論じられる現在に限らず、富の偏在は人類が「保存」という概念を得たときからの、 種の保存本能のひとつとして否応なく受け継がれてきたものです。
社会制度としていかに富裕層に高額の税金を課し、社会に還元しても、費消されるだけでなかなか格差の解消に至ることはありません。
格差の最大の問題は、昔の身分制度のように当人の望みや努力に関係なく立場が固定されてしまうことです。
人は希望なくしては生きていけません。自殺が絶望によって引き起こされることからしても、 希望が空気や水や食べ物と同じくらい重要であるということです。
人には明るい将来を期待することのできる「希望」が不可欠なのです。
今が平等でないことが問題なのではありません。機会が平等でないことが問題なのです。
格差が機会という大切な希望を奪うことが問題なのです。
格差を解決する唯一の手段は教育です。日本は歴史的にみても教育に熱心な国でした。
源氏物語が世界最古の女流文学であるということは、当時の全世界では相当の高い地位にある女性でも文字が書けなかったことを意味しています。 また、江戸時代の寺子屋は当時世界中のどの国にもない最多の教育施設だと言われています。
貧しい生まれでも学問をつけることによって、身を立てることができるようになる。せめて読み書きだけは、できればそろばんも、 そして立身出世を果たしてほしいという親心は為政者や社会構造が変化しても不変です。
封建制度という現在よりももっと不自由だった時代に、教育だけが希望の光だったのです。
知識はそれだけでは何の成果も生み出しませんが、人生という旅には地図と同じ重要性があります。
古典のように知識が知恵に熟成されるまでに相当の時間を要するものもあります。
しかし、日々旅にして旅を栖とする私たちは旅に死せるその日まで、希望とともに歩き続けるために学びを生かしていかなければ、 本当の意味で生きている実感を得られなくなってしまうのではないでしょうか。

生物学者のリチャード・フォーティが紐解く地球46億年の歴史。 イタリアのナポリ、ハワイ諸島、ニューファンドランド、アルプス、グランドキャニオンなど、世界中の特徴的な地形をめぐりながら、海と大地の壮大なドラマを楽しめる地球科学の決定版とも言える本。 大陸はこれまでの歴史の中で何度も分裂と衝突を繰り返し、海は現れては消え、生物はその大きな力に翻弄されてきた−。 人類にはおよそ想像もできない長い時間の中での地球の躍動を、著者が地質学の観点から一般にもわかりやすく紹介する本作。 ぜひ、世界地図を片手に地理的な関係を把握しながら読み進めてもらいたい。

代表取締役 千堂 純子

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