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千心美生

千心美生

協力関係のつくりかた

先日出会ったある音楽家に、「大成するために必要なものは何ですか?」と伺いました。「うーん、やっぱりセンスなんだよね。」
久しぶりにいやな言葉を聞きました。駆け出しの頃、随分と悩まされた言葉。センスがいいとか悪いとか、服の好みから仕事の出来栄えまで、 実によく使われるのに正体のしれないもの。センスが悪いなどと評されても、だからといって何をどうすればいいのか皆目検討つかないもの。
「それではどんなに練習しても、才能にはかなわないということですか?」と私はがっかりしながら聞きました。
その老音楽家は、「残酷だけどそうだね。表現にはその人の全てが現れるからね。どんなに練習したって部屋の中でセンスは磨かれない。色々なものや人に触れ合って育んでいかなければ…」
あれ? これはどこかで聞いた話に似ている。そんな考えを巡らせているうちに、「知恵」という文脈で語られていた記憶があると思い至るに及び、長い間理解できずにいたものが手の届くところにあるような気になっていきました。
知恵は人に直接係わりあうことで磨かれると考えています。理屈通りにいかない経験や必ずしも合理的なものが正しいとは限らないという失敗を重ねて、少しずつ積みあがっていくもので、多少の気働きとか要領の良さでは到底渡りきれるものはない世間の荒波に揉まれてこそ、生きた知恵になるものだと思います。知恵はただ無反省に経験数を増やしても身に付きません。成功より失敗、他責より自責からしか手に入れることができないと、苦い経験から身にしみて理解してきました。
それらが解るまでに随分と年齢を重ねる必要がありました。
いくつになっても解らないことが沢山あり、いくつになっても学ぶことの喜びがある。年を重ねてこそ判ることもある。年をとることはいいことだなと思うのです。

日本の歴史上、最も人の心を巧みに捉え、出生街道を駆け抜けていった人物・豊臣秀吉。本作は、財産も人脈も何もないところから天下統一を果たした英雄の生涯を描く歴史長編小説である。本能寺の変によって信長が滅ぼされた後、その座を狙う柴田勝家、徳川家康ら重臣たちを、天才的な智略によってときに巻き込み、ときに退けていく秀吉は、ついには信長でさえもなしえなかった天下統一を果たすことになる―。従来の太閤記を踏襲しながらも、常に乱世の英雄を新しい視点から現代に再現させてきた司馬遼太郎節がきいた本作。1968年に刊行された作品ながら、いまだにその魅力が色あせることはない。
この本を初めて読んだのは中学生のころ。知識も経験もない私にとって、何事も明るく受け止め、自らの工夫によって困難を突き進んでいく秀吉の姿は学ぶことの多いものでした。足りないものを数えるより、今あるものでどうにかする。私が秀吉に教えられた大切な考え方です。

代表取締役 千堂 純子

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